特集Vol.22 クラシキのこだわり本屋さん

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つづきの絵本屋 都築照代さん

つづきの絵本屋

つづきの絵本屋

つづきの絵本屋看板

文化的な薫りがする倉敷は、絵本にぴったりのまち。

 『つづきの絵本屋』は、JR倉敷駅にほど近い住宅街の一角にある絵本専門店です。店主は、公共・大学・小学校の図書館で長年、司書を務めてきた都築照代さん。絵本専門士をはじめとする本に関するさまざまな資格を生かして「おはなし会」や「ブックトーク」を開催し、「読みきかせ講習会」などの講師としても活躍しています。
 そんな都築さんは、配偶者の仕事がら日本全国を移り住んできましたが、「家を建てるなら倉敷」と家族の意見が一致したことから、2016年にこの地に移り住みました。「倉敷は私の出身地である愛知県犬山市と同じように、古い建物を大切に守っている地であり、歴史と暮らしが違和感なく共存しているまち。観光地にありがちな慌ただしさがないこのまちの時間の流れは、私自身の歩みにぴったり合っているので、心地いいですね」。
 また、「絵本は図書の分類上では『絵』なのです。だから、質の高い絵画を東京では考えられないほどゆったりと鑑賞できる大原美術館などがあり、文化的な薫りがする倉敷は、絵本にぴったりのまちだと思います」とも。

めくるたびに「つづき」が読みたくなる一冊を手渡したい。

つづきの絵本屋店内

 「時代の流れか、子どもだけでなく大人も本を選べなくなっていて、『僕の一冊』『私の一冊』に出合えていない方が多いと感じています。本は一人歩きができませんから、お客さまの話をじっくり伺って、その一人ひとりがめくるたびに『つづき』が読みたいと思えるような一冊を、丁寧に選んで手渡していきたい」。店名の「つづき」には、そんな思いも込められています。
 木をふんだんに使った優しく温かみのある店内には、誰もが知るロングセラーから新刊まで多種多様な絵本がそろっています。「季節に合った絵本を、なるべく表紙が見えるような形で紹介しているので、店内に並べることができる本は限られています。書庫には何冊あるかわからないほど」だといいます。
 もし、探している本が見つからない時は、遠慮なく都築さんに尋ねてみてください。「書名や作家が分からなくても、『こういう表紙で、こういう内容の絵本』といった手がかりだけでも、探し出せることがあります。求めていた絵本に再会して喜んでもらえるととても嬉しいし、中には涙を流す方もいて、そういう時は心からこの店を始めてよかったと感じます」と、都築さんは笑顔を見せます。

つづきの絵本屋店内

つづきの絵本屋店外から

穏やかで豊かな気持ちになれる「場」を目指して。

都築照代さん

 もともと紅茶好きだった都築さんは、「絵本好き以外の人も入りやすい店にするため、紅茶を振る舞おう」と考え、ティーインストラクターの資格を取得。喫茶メニューとして、約10種の紅茶とお手製の「本日の焼き菓子」を用意しています。
 それらを味わえるテーブルはひとつ。「そこでお客さま同士の交流が生まれ、小さなコミュニティができつつあります。知らない者同士が絵本をきっかけに出会える場、絵本作家と出会える場になれたら嬉しいですね」。都築さんは、大人のための「えほん夜会」など絵本にまつわるイベントを開くほか、絵本ライブやギャラリートークのために店を訪れる絵本作家の原画展を、店内にあるギャラリーで開催しています。
 「スピードが求められる時代ですが、時には、親子でじっくり絵本を楽しんだり、ひとりでゆっくりとお茶を飲んだり、倉敷ではあまり目にすることのない絵本作家の原画を鑑賞したり…。そうして、穏やかで豊かな気持ちになってもらえる場にしていきたい」。都築さんの願いです。

紅茶と焼き菓子

店内ギャラリー

つづきの図書館

店主の著書の数々

 都築さんが店の名前を決めかねていた時に出合った一冊。田舎の図書館の見習い司書となった主人公が、「読んでいた人のその後を知りたい」と絵本から飛び出してきた登場人物に振り回されながら、その読者を探すというファンタジー。「それぞれの人生のお話4篇からなるオムニバスで、大人の心に響く一冊です」。
(柏葉幸子 作 / 山本容子 絵 出版:講談社)

つづきの絵本屋

つづきの絵本屋

  • 所在地 岡山県倉敷市川入694-7
  • お問合せ Tel : 086-476-0415
  • 営業時間 10:00~18:00
  • 定休日 水曜日・木曜日

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