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特集19.倉敷メイドの逸品が生まれる。モノ作りの現場へ

キャンドルのある空間と時間、
心の燈火を創造したい

倉敷製蠟(くらしきせいろう)運営会社:ペガサスキャンドル株式会社

創業の地・倉敷で一つ一つ真心を込めてキャンドルを作り続ける老舗メーカー。
その伝統の技に現代的な感性を融合させて生み出した、これまでにないキャンドルが、
今、国内はもちろん海外からも注目されています。

  • 倉敷のキャンドルブランド「倉敷製蠟」
  • カードキャンドル
  • テストチューブキャンドル

キャンドルのよさを知ってもらうため気鋭のデザイナーとコラボ

 江戸時代に幕府の直轄地、いわゆる天領として栄え、さまざまな物資が集まっていた倉敷では、恵まれた資源を生かした種々の工芸品が作られていました。そして大正時代末期からは、「民藝運動」の広まりとともに、「用の美」をたたえた多彩な民藝品も生み出されてきました。
 そんな手仕事のまち・倉敷で、2017年、この地の名を冠したキャンドルブランド「倉敷製蠟」が誕生しました。「倉敷製蠟」は、「グッドデザイン特別賞[ものづくり]」や「DESIGN TOKYO大賞 2017」のグランプリを受賞した「CARD CANDLE」をはじめとする、4種のキャンドルとマッチのラインナップからなります。
 このブランドを世に送り出したのは、1934年(昭和9年)創業の、国内屈指のキャンドルメーカーとして知られるペガサスキャンドル株式会社。
 「キャンドルのある生活をひとりでも多くの人に」。そんな熱い思いを抱くペガサスキャンドルの井上隆夫社長や社員たちが、キャンドルのよさを伝える道を探っていた2015年のこと。井上社長は、同じく倉敷の企業であるカモ井加工紙株式会社の鴨井尚志社長から、同社のマスキングテープを「mt」の名で全国に知らしめたアートディレクター・居山浩二さんを紹介されます。
 そして2年の時をかけ、培ってきたキャンドル作りの技術に、居山さんの卓抜した感性を融合させ、「倉敷製蠟」を完成させたのです。

  • キャンドルの制作風景
  • キャンドルの制作風景
  • カードキャンドルの制作風景
  • カードキャンドルの制作風景
  • カードキャンドルの制作風景
  • カードキャンドルの制作風景
  • パームワックス

手仕事のまち・倉敷だからこそ一つ一つ、ていねいに人の手で

 グッドデザイン賞で「素材、加工、香料の吟味・検証を重ねて作り上げた、最高品質のキャンドル」と評価された「倉敷製蠟」の「CARD CANDLE」。厚さわずか3mmの板ガムを思わせる、持ち運びしやすいコンパクトなフォルムで、日々の生活のさまざまな場所で気軽に楽しむことができます。
 開発に深く関わった倉敷工場長の園山真司さんは、「エッジをきちんと出しながら、どこまで薄くできるかが課題でした」と当時を振り返ります。
 主な原料として選んだのは、ススが出にくく、環境と人に優しい植物由来のパームワックス。デザインが蝋が垂れやすい形状だったため、品質に厳しいブライダル業界のキャンドル作りで培ってきた技術を基に、ワックスの配合を追求。エッジをシャープに仕上げるために、製法も試行錯誤を重ねました。また、キャンドルの重要な要素である香りも、現代の生活シーンにマッチした3種類を新たに用意。こうして、蝋が垂れることなく最後まで美しい炎と香りを楽しめる「倉敷製蠟」が創り上げられたのです。

 完成した「CARD CANDLE」の厚さは、芯の太さとほぼ同じ。そのため、芯をワックス内に収める作業は機械では難しく、一つ一つ人の手で作られています。小振りな型に芯をセットし、やかんを使って溶かしたワックスを流し込み、固まったところで型から外して、形を整え…。
 どこか懐かしさを感じさせる手仕事が繰り返されているのは、倉敷工場の一角です。その敷地内には、新たなキャンドルの商品開発から商品化に向けて試作を重ねる工房や、炎の大きさの決め手となる芯を製作する工場があり、品質をチェックする工程までを一貫して行っています。
 さらに、地元・倉敷に貢献したいという思いから、キャンドルの保管・発送を担う物流センターも倉敷市内に設けているのだそう。

  • カードキャンドルの制作風景
  • カードキャンドルの制作風景

倉敷のキャンドルブランド「倉敷製蠟」

倉敷のキャンドルブランド「倉敷製蠟」

カードキャンドル

カードキャンドル

CARD CANDLE カードキャンドル

板ガムのようなカード型キャンドルは、付属の真鍮のスタンドに立てて使います。香りは、優雅でフローラルな「Fresh Floral」など3種。

テストチューブキャンドル

TEST TUBE CANDLE テストチューブキャンドル

木製のスタンドに立てて楽しむ、試験管入りのキャンドル。爽やかで知的な「Fresh Green」など香りの異なる3本セットのほか、単品もあります。

グラスキャンドル

GLASS CANDLE グラスキャンドル

ベーシックなグラス入りキャンドル。ススが少なく炎のゆらぎをクリアに楽しめるので、ゆったりとキャンドルに癒されたい時に最適です。

チョコレートキャンドル

CHOCOLATE CANDLE チョコレートキャンドル

粒チョコレートを模したキャンドルは、トレーに入ったまま炎を灯して。無香なのでさまざまなシチュエーションで楽しめます。

マッチ

MATCHES マッチ

長い持ち手が、特別なひとときを感じさせるマッチ。試験管キャンドルを灯す時に便利です。

ペガサスキャンドル 株式会社

1934年創業。高い開発力と技術力で、時代のニーズに応え続ける日本屈指のキャンドルメーカー。ウエディング用キャンドルのシェア約60%を誇る。キャンドルを通じて心の燈火を創造することを目指し、多彩なキャンドルとキャンドル文化を発信している。

【ペガサスキャンドル 株式会社】
岡山県倉敷市西阿知町 1320-5
TEL:086-465-1035
www.pegasuscandle.com
  • キャンドル卓 渡邉邸

この地の名を冠した商品を通して、世界に倉敷の名が広まれば

 1950年代から60年代にかけては輸出用キャンドルの製造が主だったペガサスキャンドルですが、1970年代のオイルショックをきっかけにブライダル業界へと進出しました。「カバンにキャンドルサービス用の品々を詰めて、東京のホテルなどを回ったと聞いています」と、園山工場長。やがてその品質が認められた同社のキャンドルは、全国で数多くのウエディングシーンを彩るようになります。
 人生最良の日に花を添えるキャンドルを提供する中で、商品を届けるだけでなく、「キャンドルのある空間と時間、心の燈火の創造」を目指し、キャンドル文化の普及にも力を注ぐようになります。たとえば、2008年から国指定重要文化財・大橋家住宅などで毎年開催しているのは、倉敷ゆかりのガラス工芸家によるキャンドルスタンドを集めた「倉敷とあかりとガラスの作家たち」。古民家のゆかしい空間に、ゆらめく炎が灯ります。

  • 倉敷とあかりとガラスの作家たち

 2014年には「キャンドル卓 渡邉邸」をオープン。大正時代の蔵に、キャンドルが灯る空間で食事やお酒を楽しめるレストランと、バリエーション豊かなキャンドルに出合えるショップを併設しています。
 そうして日々の暮らしを豊かにするキャンドルの魅力を発信する中で、より使いやすく、スタイリッシュなキャンドルをと開発したのが「倉敷製蠟」です。発売以来、海外からの問い合わせも多いこの品を通して、倉敷の名を世界に発信できればと、ペガサスキャンドルは切に願っています。

  • 倉敷のキャンドルブランド「倉敷製蠟」
  • 倉敷のキャンドルブランド「倉敷製蠟」
  • 倉敷のキャンドルブランド「倉敷製蠟」
  • 倉敷のキャンドルブランド「倉敷製蠟」

手仕事のまち、倉敷とは…

手仕事のまち、倉敷とは…

 倉敷市には、「フィールドオブクラフト倉敷」や「クラシキ クラフトワークビレッジ」といった手仕事の魅力を発信するイベントや施設が数多くあり、地元クラフト作家の作品を展示する個性的なギャラリーも点在しています。その背景にあるのは、古くから暮らしの中で連綿と受け継がれてきた「ものづくりの精神」と、大正時代末期に始まった「民藝運動」。大原美術館の創設者でもある実業家の大原孫三郎が倉敷に招いた外村吉之介によって、「用」を追求する中で自然と生まれる簡素な「美」をたたえた「民藝」という考えが広まりました。そうして生み出された民藝品や工芸品はもちろん、倉敷で作られるさまざまな製品の中には、手仕事ならではの温かさと「用の美」を備えたものが数多くあるのです。

  • (1)大原家と外村の尽力によって開館した「倉敷民藝館」
  • (2)多彩なジャンルの作家が集う「フィールドオブクラフト倉敷」
  • (3)手仕事がテーマの「クラシキ クラフトワークビレッジ」
  1. (1)大原家と外村の尽力によって開館した「倉敷民藝館」
  2. (2)多彩なジャンルの作家が集う「フィールドオブクラフト倉敷」
  3. (3)手仕事がテーマの「クラシキ クラフトワークビレッジ」

DATA

(1)倉敷民藝館

倉敷美観地区の川沿いにある、白壁に黒い瓦が映える美しい建物。「誰でも何時でもできる『美しい生活』をひろめること」を役割として民藝品を集め、その所蔵数は現在約1万5千点にのぼる。岡山近郊の焼き物、倉敷ガラス、李朝の陶磁器や家具、世界の篭(かご)を展示する常設展に加えて、年2回の企画展を実施。また、館内ショップでは地元岡山の民藝品を中心として様々な品が販売されている。

  • 岡山県倉敷市中央1-4-11
  • 086-422-1637

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(2)フィールドオブクラフト倉敷

毎年5月に行われる中国・四国地方を代表するクラフトイベント。全国各地から多数の作家による、陶器やガラス、漆器や布小物など約10ジャンルの手仕事が集まる。普段目にすることのできない製作道具の展示や実演を行い、作品の背景にも関心を持ってもらえるような取り組みに定評がある。大人から子どもまで楽しめるワークショップも多数開催。買って、体験して、様々な角度からクラフトの魅力にふれることができる。

  • 倉敷市芸文館前広場(岡山県倉敷市中央1-18-1)

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(3)クラシキ クラフトワークビレッジ

2017年に倉敷美観地区に誕生した、「クラフトワーク(手仕事)」をテーマにした複合施設。築170年の町家をリノベーションし、倉敷格子やなまこ壁など、倉敷の伝統的な意匠が残る空間に、地産素材を使ったオーダーメイドクラフト製品を扱う店舗が集結。製造・販売のほか、製作風景の公開やワークショップなど、手仕事の魅力を幅広く発信している。2階には抹茶が味わえる本格的な茶室もあり、日本の伝統文化を体感できる。

  • 岡山県倉敷市本町1-30

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他にもこんな特集があります。

  • 特集 vol.20 倉敷うまれの地酒
  • 特集 Vol.18 モノ作りの現場へ  TEORI
  • 特集10.ARKO 2016 – アーティスト・イン・レジデンス 倉敷 大原 –

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クラシキ文華(文化 - ブンカ)

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