国産綿帆布の生産量の約7割が倉敷産
倉敷市で全国の約7割が生産
帆布をご存じでしょうか。
帆布とは細い糸を何本か撚り合わせて高密度に平織りにした厚地の布のことです。
発祥は古代エジプトで、江戸時代に日本に伝わり船の帆として使われ始めました。明治時代以降にテントや小物に使われ始め、現在では、跳び箱の最上段や体操のマット、相撲のまわし、油絵のキャンバスなどにも使われています。
最近では、バッグ、靴、ジャケットなどのほか、生活雑貨、文房具などにも用途が広がっています。
倉敷市で全国の約7割が生産されているとのことで、その根拠について調べてみました。
経済産業省の工業統計調査によると、
(品目別で公開されているのは県単位のデータ。経済産業省に申請して市町村単位のデータを確認しました。)
倉敷市の帆布製品出荷額のシェアは、
・119411 綿帆布製品
2017年 2.1% 16位、2016年 1.1% 27位
・119412 合成繊維帆布製品
2017年 5.7% 1位、2016年 5.9% 2位
・119419 その他の繊維製帆布製品
2017年 1.4% 12位、2016年 1.5% 10位
となっています。
合成繊維帆布製品出荷額では1位ですが、綿帆布出荷額では16位となっています。
全国の約7割はどこから出た数字なのか?
倉敷帆布を販売する株式会社バイストンへお尋ねしたところ、「岡山県織物構造改善工業組合」を通じて全国の綿帆布年間生産量を確認していただきました。
令和元年度の数字では、生産量(重さ)で67.5%の割合で、年によって増減がありますが、国産綿帆布生地の生産量の約7割を生産しているとのことです。
倉敷帆布では、1960年代に製造されたシャトル織機を修繕し続けながら、使い続けています。最新の織機に比べ20分の1程度のスピードでしか織ることができませんが、独特の風合いやシャトル織機で織った帆布でのみ生まれる耳(セルヴィッジ)の美しさを大切にしています。
既にメーカーが存在しなくなったシャトル織機を自社で修理しながら、職人の技やノウハウを伝え品質を守り続けています。
ぜひ、手に取ってみてください。
※参考文献
「おかやまのせんい vol4」(岡山県産業振興課 2019)、倉敷帆布サイト、
全国綿帆布生産量調査(岡山県織物構造改善工業組合)
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