公開日2025/03/28
公開日2025/03/28
「暮らしの宿てまり」は、倉敷美観地区に点在する「ゆきかい」「おいとま」「まどろみ」の3棟からなる宿泊施設です。町家や古民家の面影を残しつつ改装した建物は、それぞれに趣も間取りも異なりますが、共通しているのは「手仕事のもの」を主役にしていること。
館内に置かれた手仕事の品々は、オーナー・犬養拓さんが全国各地の作り手のもとを訪ねてセレクト。なかには倉敷にゆかりの深いものもあり、「ゆきかい」には倉敷ガラスのコップや備中和紙の便箋、「おいとま」には倉敷モチーフの型染め暖簾といった具合に、3棟ごとに異なる逸品が、小さなキャストとして訪れる人を迎えてくれます。
「倉敷は古くから民藝が根差し、ものづくりの気質が受け継がれているまちです。昔からあるものの良さと、今の時代だからあるものの良さ。ここで一晩過ごして実際に使うことで、その良さを知ってもらえたら」とスタッフの瀬戸珠実さんは話します。
3棟の宿は、それぞれが1日1組限定。なかでも一番広いのが、昭和初期の建物を1棟丸ごと貸し切る「おいとま」です。古い梁や建具は活かしつつ、現在の暮らしに合わせてリノベーションした空間は、懐かしさと新しさが調和した心地よい雰囲気に包まれています。1階には、8畳と6畳の和室が2間続きで広がり、調理機器や食器などがそろうキッチンをはじめ、バス、トイレをレイアウト。2階には、ベッド4台が並ぶ寝室、布団が敷ける洋室のほか、リモートワークもできる書斎スペースが用意されています。窓の向こうには「倉敷アイビースクエア」の赤レンガが広がり、倉敷らしいロケーションも魅力です。
「おいとま」は、親しい人たちと集えるようにと最大9名が宿泊可能です。その理由を瀬戸さんにたずねると、「倉敷美観地区の周辺にはビジネスホテルや旅館は多いですが、小さな子どもが伸び伸びと過ごせる宿はまだ少ないように感じています。3世代3家族が集える、そういう場に『おいとま』がなれば嬉しいなと思って」と答えてくれました。
その言葉どおり、押入れをキッズスペースにアレンジしたり、子ども用の布団やおむつを備えたり、鍋またはたこ焼きの夕食プランを用意したり、家族連れでも心地よく過ごせる工夫が施されています。
「地元の方が『家族のお祝いに』と、3世代で宿泊されたこともありました。暮らすように過ごすことで、県外の方はもちろん、地元の方にも倉敷の魅力を再発見してもらえたら」。瀬戸さんの願いです。