クラシキの酒蔵

公開日
2025/12/25

2024(令和6)年、日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。その土地の水と米、人の手によって生まれる一杯には、地域の歴史と暮らしの物語が詰まっています。この特集では、倉敷の風土とともに歩んできた酒蔵をご紹介します。

熊屋酒造くまやしゅぞう

聖域に囲まれた冷涼な地で、
300年醸し続ける倉敷最古の酒蔵。

1716(享保元)年創業の「熊屋酒造」は、現存するなかで倉敷最古の酒蔵。伝統の技を基本に、先進の技術も取り入れ、敷地内に湧き出る霊水と県内産の米で醸す酒は、国内はもとより海外でも楽しまれています。

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熊屋酒造
熊屋酒造

十八盛酒造じゅうはちざかりしゅぞう

伝統の技と蔵元杜氏のセンスで、
新たな酒造りにも挑戦する老舗蔵。

創業240年の「十八盛酒造」。多様な料理に寄り添う食中酒を目指し、「穏やかな香り・米の旨味を生かした豊かな味わい・飲み飽きしないキレ」の3つのバランスを大切にしたさまざまな酒を醸しています。

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十八盛酒造
十八盛酒造

三冠酒造さんかんしゅぞう

名脇役に徹し、食事を主役にする酒が、
パリのソムリエにも認められた復活蔵。

岡山県産米と井戸水「みこえの水」で醸す、食事に寄り添う酒が、国内外で高く評価されている「三冠酒造」。創業以来、当蔵の酒造りを支えてきた井戸水のおいしさを堪能できる、かき氷やコーヒーも人気を博しています。

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三冠酒造
三冠酒造

菊池酒造きくちしゅぞう

5代目が杜氏として取り組むのは、
「一度飲んだら忘れられない酒」。

「菊池酒造」は、かつて商港として栄えた玉島で数百年続く商家が、明治時代に開いた酒蔵。「一度飲んだら忘れられない酒」を目指して、備中杜氏の技を磨くとともに、品質管理を徹底するため最新設備も導入しています。

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菊池酒造
菊池酒造

森田酒造もりたしゅぞう

昔ながらの技を守り続ける。
倉敷美観地区で唯一の造り酒屋。

「森田酒造」は倉敷美観地区に唯一残る造り酒屋です。1909(明治42)年の創業以来、「地の米と水を使い、地の人間が造る」という地酒の3条件を徹底し、昔ながらの製法で30種類ほどある「萬年雪」を醸しています。

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森田酒造
森田酒造

渡辺酒造本店わたなべしゅぞうほんてん

昔ながらの佇まいを残す酒蔵。
酒造りも伝統手法にこだわる。

岡山の米と高梁川水系の伏流水を用い、「直火和釜蒸し」や「槽搾り」といった手間暇のかかる昔ながらの手法で酒造りに取り組む「渡辺酒造本店」。代表銘柄の「嶺乃誉(みねのほまれ)」に加え、新たな味わいも高く評価されています。

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渡辺酒造本店
渡辺酒造本店

COLUMN 希少な昔ながらの「本みりん」も

 みりんは、江戸時代にはお酒が苦手な人や若い女性に「甘い酒」として親しまれ、やがて料理にツヤや香り、甘さ、旨味を加える調味料として使われるようになっていきました。今ではみりんが酒であるという認識は薄れていますが、「本みりん」は酒税法で定められた酒類なのです。
 そんな「本みりん」には、もち米と米麹、米焼酎のみを用いて伝統的な製法でじっくり造られるものと、もち米と米麹にアルコールや糖類を加えて工業的製法で短期間のうちに造られるものがあります。
 昭和期以降、工業的製法の「本みりん」や「みりん風調味料」、「発酵調味料」などが台頭し、伝統的製法の「本みりん」は激減していきました。
 そんななか、倉敷には伝統的製法で造られる2種類の「本みりん」があります。それが、「藤澤藤左衛門商店」の「旭富士」と「妹尾酒造本店」の「純米本みりん」。どちらも備中杜氏発祥の地として知られる倉敷市南西部の南浦地区で、丹念に造られています。料理をグレードアップしてくれる調味料としてだけでなく、もち米由来のやさしい甘さのリキュール感覚で楽しんでみてください。

「藤澤藤左衛門商店」の「旭富士」
「妹尾酒造本店」の「純米本みりん」