公開日2017/03/30
公開日2017/03/30
2017年3月19日、倉敷美観地区の本町通りに誕生した「クラシキ クラフトワークビレッジ」。ここは、施設名が表すように「クラフトワーク(手仕事)」をテーマにした複合施設です。築170年の木造2階建て、倉敷格子やなまこ壁の意匠が残る伝統的な倉敷の町家をリノベーションした空間に、手ぬぐい・器・日本茶、帽子、帆布、デニム、ガラスを扱う5店舗が集結しました。商品の販売はもちろん、製作風景を公開したり、ワークショップを開催したりと、手仕事の魅力を幅広く発信しています。さらに2階には、抹茶が味わえる本格的な茶室があり、日本の伝統文化を体感できる施設でもあります。
「倉敷は国内外から年間350万人もの人々が訪れる観光のまち。同時に、古くから民藝にゆかりが深く、手仕事が盛んなまちでもあるんです」と話すのは、同施設の代表・青山典雅さん。本町通りにある手ぬぐいと日本茶の店「互茶(ごちゃ)」を営む中で、「倉敷を訪れる多くの人に、倉敷のことをもっと深く伝えられたら」と常々感じていたといいます。
「倉敷には、歴史ある町並みに息づく豊かな暮らし、職人が紡ぐ手仕事の逸品など、魅力的な“モノとコト”がたくさんあります。それらを通し、倉敷を訪れる人に、倉敷の魅力を語りかける場所が作りたい」。その思いが「クラシキ クラフトワークビレッジ」構想への第一歩となったのです。
モノづくり・クラフトを通じて、「日本の職人文化と伝統文化」を倉敷から世界に発信したいと思い、この施設を作りました。「Gocha」では、倉敷美観地区が描かれたオリジナル手ぬぐい「くらしきさんぽ」にスタンプを押す、自分だけの手ぬぐい作り体験を用意。2階の「町家空間VOMN(ヴォン)」には、抹茶が味わえる本格的な茶室とフリースペースを設け、日本の伝統文化の発信、モノづくりに携わる人たちの交流活動拠点になればと思っています。
お客様に製作現場を見ていただけることで、私たちのモノづくりへの姿勢を伝えられる。作り手がお客様と直接触れ合うことで、その反応をダイレクトに感じられる。それは作り手として成長できることであり、次の商品づくりに生かせられること。これが、「クラシキ クラフトワークビレッジ」の強みであり、魅力だと思います。
以前から「自分たちで作ったものを、自分たちで売る」をテーマに、倉敷帆布を使ったオリジナルバッグをはじめとする商品のデザイン・縫製・販売を一貫して行っていました。工房を併設する今回のショップは、自分たちが貫いてきたモノづくりに対する姿勢や取り組み、思いを伝えられる理想の場所。ここから新たな職人が育ち、次へつながるよう励んでいきたいです。
全国各地から倉敷を訪れる多くの人たちに、もう一つのデニムの産地・井原の魅力を知っていただきたいと思い、「クラシキ クラフトワークビレッジ」への参加を決めました。ショップではデニムのダメージ加工を体験していただき、デニムがもつ風合いや魅力を身近に感じていただければと思っています。
製作現場を見て、そこから生まれた商品を手にする。「モノとコト」の両方を世界から人が訪れる倉敷から発信できるのは、作り手としてとてもやりがいを感じます。以前は別の場所で工房兼ショップを営んでいたのですが、作り手が集まる複合施設での製作は相乗効果も大きいですし刺激も大きい。多くの魅力を感じ、ここで活動したいと思いました。