地域と歩む真備竹林麦酒醸造所の軌跡

真備竹林麦酒醸造所は2023年3月末をもって閉所しました。
今後はまちの復興の役に立てるよう、新醸造所開設に向けて取り組んでいくとのことです。
※「真備竹林麦酒」の商標と製品は、別会社に引き継がれます。

Chapter1 無濾過(ろか)・非加熱で、
酵母の生きた地ビール造り

 倉敷市北西部の真備地区にある「真備竹林麦酒醸造所」は、マイクロブルワリーと呼ばれる小さな地ビール醸造所です。2011年6月の創業から造り続けているのは、素材の甘みを引き出したフルーティーな「ささ」、ビター系で濃厚なモルト風味の「たけ」、飲みやすく香り豊かな黒ビール風味の「やた」の3種。いずれも、無濾過(ろか)・非加熱で酵母の生きた味わいを楽しませてくれる地ビール(酒税法上は発泡酒)です。

真備竹林麦酒醸造所
真備竹林麦酒醸造所
真備竹林麦酒醸造所
やた・たけ・ささ

 そんな「真備竹林麦酒醸造所」を運営しているのは、心の「病」を抱えた当事者やその家族の方々が安心して生活できる支援体制とやさしい地域づくりを目的に、2002年3月に設立されたNPO法人の「岡山マインド『こころ』(以下「マインド」)」です。
 「十数年前にグループホームを開設しようとした際、地域の人々のご理解を得るのに苦労したことがあります。そこで、みなさんが喜んでくださるような『場』と一緒にグループホームを作ることで、地域の皆さんに受け入れていただける仕組みづくりをしたいと考えるようになりました。そんな時、岡山市で『吉備土手下麦酒醸造所』を営む永原敬さんからビール造りを勧められたのです」。そう話すのは、「マインド」代表の多田伸志さん。

多田伸志さん
ビール作りのようす
ビール作りのようす
ビール作りのようす
ビール作りのようす

 多田さんは、永原さんから手弁当でビール造りを一から学び、「真備竹林麦酒醸造所」を開設。ここでは製造販売などの多くを当事者スタッフが担っていて、「マインド」が運営する作業所で行うビール瓶のラベル作りやラベル貼りなどもその一つです。
 「毎週末にオープンするビアレストラン『Beerまび』には多くの地元の方が訪れるようになり、『マインド作業所』での高齢者の方々へのお弁当の配達や、『マインド親子クラブ』を始めたこともあって、次第に地域のみなさんがあいさつをしてくれるようになりました」と多田さん。

マインド作業所
マインド作業所
マインド作業所
マインド作業所
Beerまび

 こうして「真備竹林麦酒醸造所」は地域に馴染んでいき、地元で販売していた地ビールはその味わいが評価されて、JRの観光列車やキヨスクでも販売されるようになりました。

他にもこんな特集があります。

  • 特集54 SDGsなクラシキ4 – 倉敷から発信するネオ6次産業化 – Chapter.1
  • 特集17.茶の湯のまち玉島- 玉島茶室群研究会 –
  • 特集44 SDGsなクラシキ3 -ITONAMI- Chapter.1

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