公開日2022/02/15

「誰一人取り残さない」地域を目指し、まちづくりと人材育成に取り組む。

Chapter3 環境、社会、経済。三つの側面から
「誰一人取り残さない」地域を目指す

 「高梁川流域学校」の代表理事を務める坂ノ上さんは1978年生まれの倉敷市出身。大学進学とともに東京に移り住み、卒業後もそのままインターネット関連の職に就きました。しかし、「ITバブルに浮き足立つ多くの人を見るうちに疑念を抱くようになった」坂ノ上さんは、2004年に帰郷。倉敷で町家を直しながら丁寧に暮らす人々の姿に心を動かされます。やがて、町のために活動する人々との出会いや「備中志塾」での学びに触発され、「町のために何かをしたい」との思いから、さまざまな活動に参加するようになりました。
 そのひとつである「高梁川流域学校」の目的は、流域での地域づくりと持続可能な流域を担う次世代を育成すること。今後は、高梁川流域に暮らす人や活動の発信・可視化、オンライン交流会やインターネットでの情報発信といったデジタルコミュニケーション、持続可能な「教育×観光」のプログラムの事業化などにも取り組む予定です。

坂ノ上博史さん
高校にて

 「僕はインターネット業界の出なので『自立/律・分散・協調社会』が基本。でも、当校顧問の梶谷俊介さんの『もともと人間同士も、人間と社会も、人間と自然も依存関係にあるのだから、それを捉え直した方がいい』という話を聞いて、確かに高梁川がないと生きていけないし、一理あると思いました」と坂ノ上さん。
 「今の30代、40代以下が受けた教育のシステムは学校の中だけで閉じていて、サラリーマン家庭の多くは地域とのつながりもあまりないと思います。だから、小・中・高校生は地域の大人たちと膝を突き合わせて話をする機会があると、『こんなに面白い人たちが地域にいたんだ』という発見をするし、それまでなかったコミュニケーションが生まれることも多い。そういう機会もぜひ増やしていきたいですね」。

授業風景
フィールドワーク
フィールドワーク
フィールドワーク
フィールドワーク1
  1. 1井原市・中世夢が原でのフィールドワーク

 最後に、「SDGsの目標達成には、ゴールに向かって突き進む道と、自らの生活をどう循環型にしていくかという考えを、家族へ、身近な人へ、流域の人へと広げていく道があると思っています。どちらにしても、環境と社会と経済の三つの側面で、誰一人取り残さない地域ということを考えて、実践していきたいですね」と、真摯な表情で語ってくれました。

誰一人取り残さない流域
誰一人取り残さない流域
誰一人取り残さない流域
誰一人取り残さない流域
誰一人取り残さない流域

一般社団法人高梁川流域学校

高梁川流域学校
所在地
倉敷市中央2丁目13−3
TEL
086-527-6248
HP
高梁川流域学校
https://takahashigawa.or.jp/
高梁川志塾 https://takahashigawa.or.jp/t-shijuku/

SDGs未来都市 倉敷

倉敷市は2020年7月、内閣府が公募するSDGs達成に向けた優れた都市「SDGs未来都市」と、
その中でも特に先導的な事業となる「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。
これは、倉敷市をはじめとした「高梁川流域圏」が深く結びつき、自然と共存する持続可能な
流域暮らしを創造する、とした未来のまちづくりのビジョンが評価されたものです。
倉敷市はSDGsの推進に取り組む「倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー」のみなさまとともに、
SDGsの達成に向けて取り組んでいきます。

倉敷市は、「倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー」を募集しています

他にもこんな特集があります。

  • 特集51 つなぐクラシキ – 融民藝店 – Chapter.1
  • 特集39 SDGsなクラシキ
  • 特集46 水島臨海鉄道 – 西日本唯一の臨海鉄道 – Chapter.1

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