公開日2022/03/9
公開日2022/03/9
2021(令和3)年9月、将棋のまち・倉敷に明るいニュースが入ってきました。将棋のプロとして認められる四段に、倉敷市出身の狩山幹生さん(以降、狩山四段)が昇段。倉敷市出身のプロ棋士は大山名人以来81年ぶり、県出身では菅井八段以来11年ぶりの快挙です。狩山四段は、「将棋を始めたのは小学1年生の時、祖父に教えてもらったのがきっかけでした」と当時を振り返ります。そのおもしろさに魅了され、「強くなりたい、いろんな人と対戦したい」という思いが芽生え、小学2年生から倉敷市大山名人記念館の(こども)将棋教室や水島子ども将棋教室などに通い始めたといいます。「倉敷は将棋が盛んな地域で、将棋が強い同年代の仲間もたくさんいました。それに刺激を受け、自分自身ももっと強くなりたいと教室での実戦にも身が入っていました」。良き指導者にも恵まれ、時には菅井八段に教えてもらうこともあったそうです。
そうした日々の研鑽を積んだ結果、2010(平成22)年の小学3年生から4年連続で「全国小学生倉敷王将戦」(2012(平成24)年からは「大山名人杯争奪全国小学生倉敷王将戦」)に岡山県や倉敷市の代表として出場、2013(平成25)年、小学6年生の時には同大会の高学年の部で3位入賞、ほかにも各地の大会で成績を残していきました。2014(平成26)年、中学1年生で日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「新進棋士奨励会」に合格。そして2021(令和3)年、四段昇段を決め、晴れてプロ棋士となったのです。
「プロ棋士になった時は、嬉しさ、驚き、安堵など、いろいろな感情が沸き上がりました」と狩山四段。2021(令和3)年12月に開催された、プロ初となる公式戦「第53回新人王戦」では白星デビューを飾りました。「プロになるまでに、多くの方にお世話になりました。活躍することで地域に恩返しをしたいですし、偉大な大山名人に少しでも近づけるようさらに努力したいです」。狩山四段は、そう言葉を締めました。