公開日2023/03/9
公開日2023/03/9
倉敷の建築の魅力や奥深さを発信するKURASiX。たとえば2021年11月に行われたイベントでは、倉敷美観地区周辺に多くのモダニズム建築を残した倉敷出身の建築家・浦辺鎮太郎(うらべしずたろう)にクローズアップ。浦辺設計の主導のもと地元有志として参加し、建築と町並み形成の関係をパネルや模型で紹介しました。
また別のイベントでは、携わった建築家とともに歴代の倉敷市庁舎の変遷を紹介。1917(大正6)年に倉敷町役場として建てられ、現在は観光案内所として開放される「倉敷館」を会場にしたこともあり、「建築に興味のない人たちにも広く知ってもらうきっかけになったのでは」と稲垣さんは話します。
他にも、倉敷美観地区の建物探訪イベントを開催。倉敷の鳥瞰絵図や古絵図、昔の写真などを見ながら、倉敷の町並みの成り立ちや変遷などを解説。その後、実際に町並みを歩きながら、隠れた秘密や建築的な魅力をKURASiXのメンバーが説明するもので、参加者からは「何度も足を運んだことがある倉敷美観地区ですが、建築家の方々と一緒に歩くことでまちと建物の関わりを深く知ることができました」といった声も聞かれ、好評を博しました。
KURASiXの活動について、メンバーの佐渡基宏さんはこう答えてくれました。「倉敷全域のことを考えたり、建物の施主以外の方々とも接点が生まれたりして、大きな単位で物事を捉えることができます。倉敷全体の利点、問題点を改めて考え、学び、話し合うことが、私たちが普段手がけている小さな単位の建築に反映されているように思えます」。
「見たり聞いたりすることも大切ですが、知るということでもセンスが磨かれます」とメンバーの高吉輝樹さん。「倉敷には薬師寺主計(やくしじかずえ)や浦辺鎮太郎らによる建築がいくつもあります。このように、特定の建築家による建物が多くあるまちは、滅多にありません。倉敷の建築の魅力や奥行きを伝えることで、子どもから大人まで、多くの方々の建築文化の向上にKURASiXがお役に立てれば」と活動への思いを話してくれました。