倉敷のまちを彩るガラスたち

公開日
2026/03/31

 白壁のまち、民藝のまち・倉敷に息づくガラスの世界。気にしていなければ見過ごしてしまいそうな昔ながらの窓ガラス、伝統的な建物を彩るステンドグラスやステンドモザイク…。ガラスにまつわる倉敷の魅力にふれてみませんか。

Chapter1 繊細なステンドモザイクや
ゆらぎのある古いガラスがそこここに

 倉敷は、白壁のまちとして人気観光地の一つに数えられる一方で、実業家の大原孫三郎とその息子で同じく実業家の總一郎が民藝運動を支援したことから、さまざまな民藝品が作られるようになり、民藝のまちとしても名を知られています。
 「酒津焼」をはじめとする焼き物や、椅子敷の「倉敷ノッティング」、イ草を用いた織物や緞通(だんつう)、いかご…。そうした倉敷で作られる民藝品の一つに、「小谷ブルー」と呼ばれる緑を帯びた深みのある青色をたたえた「倉敷ガラス」があります。生みの親である小谷眞三氏や、その跡を継いだ栄次氏が市内の大学で教鞭を執っていたこともあり、その流れをくむ作り手も数多く育ちました。現在では、倉敷市内や岡山県内にも、教え子たちが開いたガラス工房が点在しています。

倉敷ガラス
倉敷ガラス
倉敷ガラス

 そんな倉敷のまちのそこここには、歴史ある建物や人々が暮らす民家があり、その窓には大正・昭和の時代から残る、ゆらぎのある古いガラスが今なお使われていることもあります。例えば、1917(大正6)年に倉敷町役場として建てられた大正ロマン漂う「倉敷館観光案内所」や、昭和初期に建てられた旧林薬品の建物を改修・再生した「林源十郎商店」の窓には、温かみのあるレトロなガラスが今も残されています。

倉敷館観光案内所
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倉敷館観光案内所
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林源十郎商店
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林源十郎商店
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  1. 1・2倉敷館観光案内所
  2. 3・4林源十郎商店

 また、さまざまな施設でガラスを素材としたアート作品を見ることもできます。建築家・浦辺鎮太郎によって設計された「倉敷市民会館」の2階への階段正面にあるのは、モザイク・フレスコ作家の作野旦平が「世界に開く窓」と題して手がけたステンドモザイクです。一見ステンドグラスのようですが、カットした色ガラスを透明な板ガラスに貼り付けてつくるため、ガラスとガラスを区切る鉛線(ケーム)がない分、より繊細でありながら、ステンドグラスと同様に光の変化によってさまざまな表情を見せてくれます。

倉敷ガラス
倉敷ガラス
倉敷ガラス

2 倉敷のまちづくりに尽力した大原家。ゆかりの施設で出合えるステンドグラス more