大原孫三郎が提唱した「病院くさくない明るい病院」を設計思想の一つに掲げる「倉敷中央病院」では、ステンドグラスやステンドモザイクのほか、ガラスを生かした空間にも出合えます。





中央玄関を入って上を見上げると、南側には「穏やかな瀬戸内の波間を楽しそうに飛び交う水鳥」、北側には「深山に舞う鷹」をモチーフとするステンドグラスが柔らかく光を通しています。「デザインしたのは型染染色作家で人間国宝の芹澤銈介です。水鳥は患者さん。病が癒やされて帰られる姿をイメージしているので、どの鳥も外を向いているんです。鷹は当院を見守る大原父子を象徴しています」と、病院の職員が教えてくれました。



フラワーガーデン横の廊下を南に突き当たった右手にあるのは、ガラス工芸の第一人者・舩木倭帆による「木漏れ日からの発想」。晴れわたった空を思わせる青色のガラスの中に、緑と茶の丸いガラスが配されています。ほかにも、色板ガラスをはめ込んだ「温室のうどんや」の欄間や、ステンドモザイク、本院のシンボルともなっている巨大な温室など、ガラスを用いた数多くの作品や空間が、訪れる患者やその付き添い、見舞い客の心を優しく癒しています。



明治、大正、昭和、そして現代へ。倉敷のガラスが放つ光は、大原家が抱いた情熱や職人たちの手仕事、そしてそれらを守り継いできた人々の想いを映し出しています。建物の窓一枚、モザイクのひと欠片に宿る物語に思いを馳せてみると、何気ない景色も、より一層深く、温かなものに感じられるはずです。
このまちが秘めた魅力の一つを知るために、ほんの少しだけ意識して、ゆっくりと歩いてみてはいかがでしょう。
※見どころの多い「倉敷中央病院」ですが、観光地ではなくあくまでも病を治す場所ですので、節度ある行動をお願いします。

| 所在地 | 岡山県倉敷市本町17-1 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00~22:00(受付は8:30~17:15) |
| 定休日 |
水曜日(休日の場合は翌日他) 年末年始(12/29~1/3) |
| URL | https://arsk.jp/shimin/ |

| 所在地 | 岡山県倉敷市中央1-1-15 |
|---|---|
| 営業時間 |
3月〜11月: 9:00~17:00(入館締切16:30) ※児島虎次郎記念館は10:00〜16:00 12月〜2月: 9:00~15:00(入館締切14:30) ※児島虎次郎記念館は10:00〜15:00 |
| 定休日 |
月曜日 (祝日開館/8月は無休/冬季臨時休館あり) ※令和8年2月9日から令和8年4月24日まで施設改修のため休館。 |
| URL | https://www.ohara.or.jp/ |
2 集倉敷のまちづくりに尽力した大原家。ゆかりの施設で出合えるステンドグラス more