公開日2020/01/9
公開日2020/01/9
倉敷の町家にあふれるアコースティックな音色は、毎年、多くの来場者を魅了しています。
「ジャズストリートは全国で開催されていますが、町家を会場にしているところはほかに見受けられません。演奏者の息づかいまで感じられるような小さな空間で、生のアコースティックな音に浸っていただきたいという思いから、『町家スタイルで楽しむジャズ』をコンセプトに掲げています」と松本さん。
「演奏者とお客さま、運営スタッフの笑顔を見るのが一番のやりがい。いつか、ジャズ発祥の地であるニューオリンズのように、日常的に誰かがその辺でジャズを演奏するような町になれば…」。松本さんはそう願います。
「倉敷は古くからの文化を守るだけでなく、創造していこうという精神がある町。美観地区を盛り上げるだけでなく、新しいジャズスタイルの提案や発信もしていきたい」。と言うのは、倉敷ジャズストリート実行委員会会長の田口哲男さん。「それから、ボランティアスタッフやミュージシャンを育てる場になっているのもやりがいのひとつです。いつか、世界で活躍するジャズミュージシャンが出てくれると嬉しいですね。そのためにも、このイベントのさらなる発展を目指します」。田口さんは、そう言葉を締めました。
2009年にスタートした住民手作りのイベントで、今では県内外から3万人が来場する倉敷屈指のジャズの祭典となっています。2日間の開催期間中、江戸時代の趣を色濃く残す町家や蔵、厳かな寺の本堂などで、多数のバンドが次々とジャズを奏で、白壁の町はその音色に染まります。小さな会場で臨場感ある生演奏を楽しむもよし、倉敷市芸文館のアイシアターでビッグバンドの迫力ある音色を堪能するもよし。あちらこちらの会場からあふれ出す音色を耳にしながら、古き町並みを散策するのもこのイベントならではの楽しみ方のひとつです。