公開日2017/02/9
公開日2017/02/9
倉敷では、幕府の直轄地「天領」として栄えた江戸時代に、三斎市・六斎市という定期市が開かれていたといいます。
長く途切れていたその市の名に由来する、くらしき朝市「三斎市」が出現したのは2005年3月のこと。
以来、毎月第3日曜日には、倉敷駅前商店街の約300mに90店ほどがずらりと並びます。瀬戸内の獲れたて魚介、季節の野菜や果物、焼きたてパン、スイーツ、調味料…。
商店街のアーケードは多種多様な品を求める人々でにぎわい、イベント広場に設けられた飲食スペースは、できたてグルメを味わう人であっという間に満席に。
毎回約3万人が訪れるこの朝市を、ボランティアスタッフとして支えているのは倉敷商工会議所青年部の皆さんです。
「倉敷駅前商店街は、観光都市・倉敷の顔。ドーナツ化現象が進む中、倉敷商工会議所が設置したくらしきTMO(まちづくり機関)が、中心市街地活性化事業のひとつとして朝市をスタートさせました」。
朝市当日、冬場はまだ暗い早朝6時からそろいのオレンジ色のジャンパー姿で集合するスタッフの面々。開催エリアを丹念に清掃し、出店区画のテープを貼って出店者たちを受け入れ、県内外からの来場者を迎えます。
そうして12年の長きにわたって運営し続ける原動力は、「かつてのにぎわいを取り戻すために、我々がひと肌脱がなくては」という、熱い思いです。
2016年4月、くらしき朝市「三斎市」は高梁川流域「倉敷三斎市」へとバージョンアップしました。
「もともと高梁川流域の地産地消がコンセプト。そのため、倉敷市が2015年に連携協約を締結した6市3町とともに、高梁川流域活性化に取り組んでいることから、改名したのです。同時に、来場者にさらに喜んでいただき、流域の経済発展に貢献するため、流域の商工会議所や商工会との連携で『地域デー』を新設しました」。
「地域デー」のコーナーには、ご当地グルメや特産品、人気の地産品などを引っさげた、新見市・高梁市・総社市・早島町・矢掛町・井原市・笠岡市の出店者が月替わりで登場します。現地でしかお目にかかれない品と出合えることもあり、好評を博しているそう。
また、取材した日は、おかやま山陽高等学校の生徒が流域の素材で作った弁当がわずか15分で完売するなど、県内の学校との連携も話題となっています。流域、官民、産学と3つの連携で目指すのは、「日本一の朝市」です。