公開日2016/03/22

特集Vol.7 クラシキの

隠れ家的お店

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おたやん食堂

食堂/ 玉島地区 おたやん食堂

食堂/ 玉島地区 おたやん食堂

  • 通町商店街

古い港町に残る、昭和レトロな商店街へ

 江戸時代の元禄年間頃から、倉敷市玉島の港は北前船と高梁川の高瀬舟の発着点として栄えました。町の中心にある羽黒神社からは、何本もの道が放射状に伸び、趣向を凝らした虫籠窓、かつての繁栄がしのばれる商家や重厚な土蔵、ハイカラな洋館にも出合えます。
 映画『ALWAYS 三丁目の夕日』のロケ地になったこともある玉島。そこで暮らす人々とともに歴史を重ねてきたのが、昭和レトロな趣の玉島通町1丁目商店街のアーケードです。

  • おたやん食堂 外観
  • 二代目店主・別所洋明さん

この地ならではの味を求め、遠来の客も

 この商店街が最も賑わっていたのは昭和30〜40年代。当時は映画館もあったといいます。「うなぎの寝床」のように間口が狭く奥行きのある商店が建ち並ぶ、そのアーケードの中ほどに佇む『おたやん食堂』は、1960年創業。二代目店主・別所洋明さんの父が、大阪のお好み焼き店で修業した後、関西生まれの母と一緒に開業したのが、『おたやん食堂』のはじまり。父の店を引き継ぐため27年前に帰郷した別所さんは、以来、お好み焼きや丼もの、オムライスなど、さまざまなジャンルの約50種を、日々作り続けています。

  • からす天狗焼きそば
  • 玉島おでん

 そんな別所さんが大切にしている言葉は「温故知新」。羽釜で炊くご飯や丁寧にだしを引いた味噌汁、父が修業で身に付けたお好み焼きの味を大切に守りながら、「新たな玉島名物が町の活性化の一助となれば」と新メニューにも取り組んでいます。そのひとつが、港の鎮守・羽黒神社にちなむ「からす天狗焼きそば」。イカスミを練り込んだモチモチとした食感の真っ黒な麺に、10種の具を加えたひと品です。テレビなどでたびたび紹介され、週末はこれを目当てに訪れる県外からのお客も少なくありません。
 玉島の活性化を目指す「玉島みなと若旦那会」の一員としても活動する別所さん。平成20年頃から会員や地元有志が集まって発信しているご当地グルメ「玉島おでん」も提供しています。最大の特徴は、ほんのり甘い「カステラ」という、卵と砂糖を加えたかまぼこが入っていること。昭和レトロな商店街で、玉島ならではの料理を味わうことができます。

  • 調理風景
  • カステラ
  • 玉島おでん
  • 羽釜で炊くご飯
  • 直し直し使っているイス

「あんたんとこがなくなると、困るわ」。地元の愛され食堂。

 暖簾をくぐり、カラカラと音をたてて木枠の格子戸を開けると、土間の店内に直し直し使っているという丸イスや使い込んだテーブルが並び、天井からは古い竹細工の照明が下がっています。オープン当初から通い続ける70〜80代のお客たちが、「昔そのままじゃ」と言う店内は、表の通りと同じように昭和時代へとタイムスリップしたかのような懐かしい趣の空間です。

  • おかずを買いに来るお母さん

 この店はもともとお好み焼き店でしたが、創業当時、近くにあった映画館へと急ぐお客からの「さっと食べられる品を」という要望をきっかけに、うどんやそばを出すようになり、いつしかさまざまなメニューを揃える食堂になったのです。
 玉島の町で歴史を刻んできたこの店の常連客の多くは、地元の人々です。お昼ご飯のひと品にするため、おかずを買いに来るお母さんや、「今日は雨で出て行かれんから配達して」というおじいちゃん、週に3〜4回はここで昼食や夕食をすませるというおばあちゃん…。今回の取材中も、「タッパーにおでん入れて」と、馴染みのお客が顔をのぞかせました。
 「あんたんとこがなくなると、困るわ」。そんな声も耳にする当店は、この地に欠かせない愛され食堂なのです。

  • さまざまなメニュー
  • 通町商店街
  • おじいちゃんへ配達
  • おたやん食堂 店内
  • 玉島おでん
  • おたやん食堂 店内

おたやん食堂

玉島通町1丁目商店街に店を構える大衆食堂。昭和レトロな空間でいただけるのは、店主が各テーブルに赴いて見事な手さばきで焼き上げるお好み焼きをはじめ、丼、うどんなど約50種類の料理の数々。地元の羽黒神社にちなんだ「からす天狗焼きそば」540円、カステラという名のほんのり甘いかまぼこが入った「玉島おでん」1個108円~が名物。

おたやん食堂

  • 所在地 倉敷市玉島2-6-14
  • お問合せ Tel : 086-525-4083
  • 営業時間 11:00~19:30(OS19:00)
  • 定休日 月曜
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