公開日2019/09/4
公開日2019/09/4
倉敷市の児島半島南端から400メートルほど沖合に浮かぶ、周囲約1.2キロの松島は、わずか2人が暮らす、岡山県内で一番小さな有人島と言われています。島内の畑から旧石器が発掘されたことにより、1万年以上前から人の営みがあったと考えられ、高台には平安時代の海賊・藤原純友を祭神として祀る純友神社が鎮座しています。
そんな松島の船着き場からすぐの海辺に建つ「旧下津井西小・下津井中学松島分校」は、1902(明治35)年に分教場として創設された歴史ある学び舎。太平洋戦争後間もない頃は数十人の子どもたちが学んでいましたが、人口減少に伴って子どもの声は響かなくなり、1989(平成元)年からの休校を経て、2000(平成12)年3月に廃校となりました。
2017年(平成29)3月、「瀬戸内海に浮かぶ松島の景観がアート展示にマッチし、滞在しながらの制作も可能」と考えた倉敷市は、廃校跡を「まちづくりを推進する新たな魅力拠点」のひとつとするため再生整備しました。そして、鷲羽山・下津井まちづくり推進協議会を設立し、地域住民と倉敷市が一体となって、旧校舎活用への道を歩み始めたのです。
再生した「旧松島分校」は、床延べ面積170平方メートルの鉄骨2階建て。1階にはワークショップ会場やカフェとしても利用できる多目的スペース、元給食調理室を生かしたキッチン、2階には展示ホールのほか、作家らの滞在スペースも兼ねた制作スタジオ、旧校庭にはキャンプ場が整備されています。