公開日2020/04/1
公開日2020/04/1
児島駅から車で約10分の「BettySmith JEANS MUSEUM & VILLAGE」で、オリジナルジーンズ作りを体験できると聞いて、足を伸ばしてみました。まず、受付をすませ、入口近くに並ぶ10種類のジーンズの中から好みの1本を選んだら、いよいよ体験のスタートです。体験の第1工程は「パーツ選び」。体験室の大きな作業台にはボタンとリベットがそれぞれ24種、奥の棚には革などのラベル(パッチ)が30種類以上用意されています。
ボタンを1個、ポケット口を補強するリベットを6個選びます。作業台に置かれたジーンズのフロント部分の上に、あれこれ置いて迷っていると、スタッフがアドバイスしてくれました。「ジーンズは何年もかけて育てるものなので、あまりたくさんの色を使うと、飽きがきますよ」。なるほど、その言葉どおりにウォッチポケットのリベットだけ色を変えました。
第2工程は、職人さんも使用している専用の機械を使って、ボタンとリベットを取り付けます。足に力を入れてグッと踏み込むと、ガチャンと音がして、しっかり付きました。
第3工程は、ジーンズのバックに付けるラベル選びです。この取り付けには技術が必要なため、職人さんにお任せして、ミュージアムを見学することに。
「ジーンズミュージアム1号館」では、ジーンズの歴史や時代背景がパネルと展示品で紹介されていました。リーバイス社から提供された「501XX」の原型モデルや、国産ジーンズの生産が始まった頃のミシンなど、なかなかお目にかかれない品々と出合え、2階では、職人さんがオーダージーンズを作る様子も見学できました。
かつてジーンズの洗い工場だった建物をリノベーションした「ジーンズミュージアム2号館」。当時の機械や、児島のジーンズブランドの各時代の製品などが展示されていて、一角ではジーンズのヒゲ加工の体験もできます。
ベティスミスの新商品や定番商品、雑貨などがそろうショップでは、デニムのストラップ作りを体験。さっきジーンズ作りで体験したばかりなので、パーツ選びもリベット付けもすんなり。
体験工房に戻って、完成したジーンズを受け取り、今夜の宿へと向かいます。
宿は、海沿いを走る国道430号を見下ろす、高台に建つ『DENIM HOSTEL float(デニムホステルフロート)』。オーナーは、経済誌「Forbes」の「アジアを代表する30歳未満の若者30人」に選ばれるなど、国内外で「デニム兄弟」として注目を集める山脇耀平さんと島田舜介さん。
ホステルの客室は、2部屋の個室とドミトリー用の2つの大広間。瀬戸大橋も望めるオーシャンビューの個室に入ると、壁の一部やふすま、イス、畳縁、座布団、スリッパなど、いたるところにデニム生地が用いられています。島田さんに聞いたところ、「デニムの素材に触れて、デニムの魅力を感じてほしい」という想いから、自分たちの手で内装を整えたのだそう。
こちらは、宿泊客以外も利用できるカフェ。カウンターや木製のイス、ソファはインディゴブルーですが、壁と天井は「窓の向こうに広がる海の色が美しく見えるよう」白で統一されています。
島田さん一押しのドリンクメニューは、「岩城島レモネード」。国産レモンとしてまとめられることも多いけれど、「作っている人の想いを直接伝えたい」という考えから名付け、愛媛県岩城島の生産者から届くレモンだけで作っていると言います。一緒にいただいた「無水チキンカレー」も美味でした。
館内一角は、二人が2015年に立ち上げたデニムブランド「EVERY DENIM」のショップ。ジーンズやシャツを購入できるだけでなく、展示されているミシンや製造風景の写真から、製造工程をかいま見ることができます。
「いろいろな方と気兼ねなくゆっくり話がしたい、少しでも長い時間を一緒に過ごしたいと思って、ここを開きました。デニムを体感できるこの場所で、景色が目当てという方がデニムを好きになるきっかけづくりができれば」と島田さんは語ってくれました。デニムに囲まれた空間で、じっくりと言葉を交わしたひと時は、日常で何げなくはいているジーンズが秘めた、作り手の想いを教えてくれました。このホステル&カフェ&ショップは、うわさ通り「泊まれるデニム屋」なのです。
今回紹介したところ以外にも、児島の町にはたくさんの素敵なスポットがあります。明日はどこへ行こうかな、と考えながら、その日はジーンズに囲まれて眠りについたのでした。
問合せ/086-472-4450(児島商工会議所)
所在地/倉敷市児島味野2-5-3
tel/086-441-9100
営業時間/11:00~15:00(夏季は延長あり)
定休日/毎週火・水曜(木曜不定休)
所在地/倉敷市児島下の町5-2-70
tel/086-473-4460
営業時間/9:00〜18:00(12〜3月は〜17:00)
定休日/なし ※年末年始の休みあり
所在地/倉敷市児島唐琴町1421-26
tel/050-8880-3135
営業時間/(カフェ)11:30〜22:30(OS22:00)
定休日/(カフェ)火曜