公開日2018/08/16
公開日2018/08/16
倉敷窓や倉敷格子、瓦と白漆喰のなまこ壁など、独特の意匠を備える典型的な倉敷町家として、国の重要文化財に指定されている旧大原家住宅。代々の大原家当主が暮らす住宅だったことから非公開となっていましたが、2018年4月1日から「語らい座 大原本邸(以下、語らい座)」として一般公開されました。
1795(寛政7)年に着工された主屋や後に増築された離れ座敷、石畳に面したいくつもの蔵、静寂な苔庭…。落ち着いた雰囲気に包まれた「語らい座」には、さまざまな資料や作品が展示され、訪れる誰もが大原家の過去と今を体感できます。たとえば、主屋の土間には、大原家の五代目以降が残した言葉や、八代目・總一郎と両親が交わした書簡をモチーフとするインスタレーション。中倉には、初代から300年にわたる大原家の歩みを目にできる「大原の歴史」と、愛用品や収集した美術品などを通して七代目・孫三郎を紹介する「10年先が見えた人」の展示。
そして、内中倉のブックカフェの壁面は、思想、哲学、企業経営、美術、民藝、クラシックを中心とする音楽、鳥類までの多彩な蔵書で埋め尽くされています。岡山ではここにしかないというドリップマシンで淹れるコーヒーは、数十種類の豆から厳選したオリジナルブレンド。蔵書の所有者であった總一郎の思想や活動に思いを馳せながら、香り高い一杯を楽しめる空間となっています。