生産ロスのブルーシートをトートバッグとして蘇らせる

Chapter1 生産ロスのブルーシートを
トートバッグとして蘇らせる

 倉敷市に本社を構える萩原工業は、国内生産量の9割を誇るブルーシートの一大メーカーです。倉敷をはじめとした岡山県内の自社工場で、高い品質のブルーシートを生産しています。

萩原工業
萩原工業
萩原工業
萩原工業

 その生産工程で、どうしても発生してしまうシワが入った規格外のブルーシート。本来であれば産業廃棄物処理される生産ロスを生かし、トートバッグとしてアップサイクル(不要なものに手を加え、新たなものに再生)する「BRIDGE SETOUCHI(ブリッジ セトウチ)」のプロジェクトが、2020年7月からスタートしました。
 バッグの外側にはブルーシート、内側には融着原反(溶かして接着できる生地。ミシン目がなく、縫製で仕上げる生地と比べて防水性に優れる)用のグリーンシートを使い分け、デザイン性も兼ね備えた軽くて丈夫なバッグに再生。さらにバッグの売り上げの3割を寄付し、瀬戸内地域の災害復興や防災基金などに役立てています。

規格外のブルーシート
再生されたトートバッグ
規格外のブルーシート
浅野和志さん
BRIDGE SETOUCHI

 「このプロジェクトは、2016年の熊本地震をきっかけに誕生した団体“BRIDGE KUMAMOTO”に由来するものです」と話すのは、代表取締役社長の浅野和志さん。BRIDGE KUMAMOTOが手掛けたのが、地震により被害を受けた家屋を守るために用いられた大量のブルーシートがゴミとして捨てられる前に回収・洗浄・縫製し、トートバッグに蘇らせるという活動。災害というネガティブなイメージから、復興というポジティブなイメージに転換することで、復興の種となるよう「ブルーシード(種)バッグ」と名付けられ、その収益の一部は復興資金として寄付されました。

被災地にて
被災地にて

 2018年7月に岡山を襲った西日本豪雨では、総社市の社会福祉法人から熊本と同様の活動を岡山でも行おうと萩原工業に声がかかり、「BRIDGE OKAYAMA」が立ち上がり復興の力となりました。「災害がない平常時にもこの活動を引き継ぎたい。持続可能な形で継続させたい。その想いから始めたのが、今回のBRIDGE SETOUCHIです」。規格外のシートを活用することで、生産ロスの軽減にも一役買い、使用済みに比べて耐久性も向上。プロジェクト名の「SETOUCHI」には、県の枠を取り払い、瀬戸内地域の企業とパートナーシップとなり、持続可能な活動を推進させたいという想いが込められているといいます。

縫製作業の様子
縫製作業の様子
BRIDGE SETOUCHI
トートバッグ

他にもこんな特集があります。

  • 特集17.茶の湯のまち玉島- 玉島茶室群研究会 –
  • 特集48 クラシキの建築2 – 建築の魅力を発信するグループ KURASiX – Chapter.1
  • 特集 Vol.18 モノ作りの現場へ  TEORI

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