昭和後期になると、状況は一変。素隠居の担い手が少なくなり、盛況だった素隠居が、だんだん姿を見せなくなりました。それを危惧した地元名士が立ち上がり、昭和51年に誕生したのが倉敷素隠居保存会です。ただ、この活動は長くは続かず、昭和57年には休眠状態となりました。伝統行事である素隠居が、このままでは本当に消えてしまうかもしれない―。その危機感・焦燥感から有志が集まり、平成3年に倉敷素隠居保存会を再興しました。平成6年には素隠居の担い手を広く募集。痛んでいた衣装やお面を新調し、さらには他の市町村の祭やイベントへも参加。活動の場を広げ、素隠居の周知に努めました。 事務局長の小田さんが素隠居保存会の一員になったのも、担い手の募集を知ったことがきっかけでした。「実家は倉敷美観地区のすぐ近く。だから素隠居は昔から身近な存在でした。祭になると『すいんきょ、らっきょう、くそらっきょう』と子供たちではやしたててね。素隠居は『どけぇー逃げたんじゃ』と追いかけてくるし、母親は『叩いちゃってぇ、この子は悪さばぁするんよ』と私を差し出し、頭をバシバシと叩かれる。小さい頃は怖くて、怖くて、素隠居は畏怖の存在でした。大人になり、結婚して子供ができて、久々に祭を訪ねると、素隠居が町内を闊歩する姿を見つけました。それが懐かしくて、嬉しくて。と同時に、素隠居の数が少ないことが気になりました。郷土色豊かなこの文化を廃らせてはいけない―。子供の時に感じたあの想い、子供の頃に見たあの風景を、大人になった自分たちが次の世代に残さねば。その使命感から担い手になることを決めました」。 < 1 2 3 >
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