公開日2024/03/26
公開日2024/03/26
瀬戸内海に臨む倉敷市水島エリアは、総面積約2,500haの敷地に200を超える事業所が林立する、日本有数のコンビナートを有するエリアです。かつては漁業と干拓農業を中心とする農漁村でしたが、工業化への転換を図るため、1943(昭和18)年に三菱重工業航空機製作所を誘致。それが礎となり、現在のものづくりの街・水島が築かれていきました。
「こうした航空産業の歴史、そしてものづくりの技術と気質が息づく水島・倉敷から、1兆円規模の新たな航空宇宙産業を創出したい。その思いで誕生したのがMASC(マスク)です」と話すのは、理事を務める鋤本浩一(すきもとこういち)さん。MASCとは「Mizushima Aero Space Cluster」の頭文字をとったもので、航空宇宙産業クラスターの実現に向けて活動する「未来価値創造団体」です。
航空宇宙産業は、次世代を牽引するといわれる産業の一つで、2040年代には市場規模が世界で1兆ドル以上に成長すると予想されています。そんな未来の産業を倉敷に実現させ、地域社会と世界が豊かになることに貢献したいという熱い想いを抱いた倉敷の経営者3人(前理事長で現在は名誉理事長の桐野宏司さん、前理事で現在は相談役の山田哲也さん、倉敷商工会議所専務理事の坂本万明さん)の有志からスタートし、2017(平成29)年11月に任意団体を発足。4年5か月の活動を経て、2021(令和3)年4月に法人化を果たしました。「空飛ぶクルマ部会」「ドローン部会」「教育部会」「観光ビジネス部会」の4つの部会に分かれ、実用化・ビジネス化を目指し活動しています。発足当初は15だった会員数も、現在は倉敷の企業を中心に70近くまで増加。会員だけでなく、倉敷市航空宇宙産業推進協議会といった参加団体、さらには航空宇宙分野の第一線で活躍する方々にアドバイザーとして力添えを求め、つながりも活動内容も広がりをみせています。